X 染色体優性低リン血症性くる病

英語名:XLH(X-linked hypophosphatemia)

疾患の概要

骨の主たる成分は、カルシウムとリンです。いずれの成分が足らなくなっても、骨が充分に石灰化されず、骨の強度が低下します。その結果、O 脚・X 脚などの骨の変形や、脊柱の弯曲が生じたり、骨折したりします。リンが尿中に過剰に排泄されてリン不足を来す疾患のひとつに、X 染色体優性低リン血症性くる病(XLH)があります。この疾患は指定難病の一つで、遺伝性があり、男女とも罹患します。リンの尿への排泄を促すFGF23が骨から過剰に分泌されることで生じます。活性型ビタミンDや無機リン、FGF23に対する抗体などで治療を受けることができます。

執筆者:

今西 康雄(大阪公立大学大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学)
大薗恵一(医療法人医誠会 医誠会国際総合病院 難病医療推進センター)

難病情報センター

小児慢性特定疾病情報センター

研究班

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医療機関・研究機関による疾患解説情報

東大病院 腎臓・内分泌内科 内分泌骨ミネラル代謝研究グループ FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の基礎研究と鑑別診断についての詳しい解説があります。

企業による疾患解説情報

協和キリン株式会社 くるこつ広場
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の総合的な情報サイトです。相談シートや病院検索が便利です。
遺伝性疾患プラス ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症
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Medical Note FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症——低リン血症とは?
東大病院の伊東伸朗先生によるFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症のインタビュー形式での解説記事です。
最終更新日:2024年09月24日